ゴジラ、その生きざま。

下宿から実家に大政奉還されてから早2週間。

「いっぱい食べなさい」

なんつっておかんが気合いの入った料理を
作ってたのなんてたかだか三日間。

2週目になってきた今日この頃は、
風呂洗い、洗濯物の取り入れ、仏壇のお供え
というミッションを着実にこなしながら

「今日飲み会やから晩御飯お願いねー♪」

つって出ていくケツを見送って
カレーを作る。

「休みの日はええねん」

つってコタツに同化したケツを見送って
2階に上がる。

「もう寝るからね!」

つって聞いてもない宣言をするケツが
和室に消えていくのを見送る。


みたいな、本木雅弘もびっくりの
おくりびとを発揮してる。
まぁ、見送るのは見事にケツばっかなんだけど。

で、そんなケツおくりびと生活を
送りながら思ったわけ。


「私の人生、これで良いの?」


これ、疲れはてた人なら誰でも
薄暗い部屋なんかで思っちゃう言葉なんですけど、
僕の場合、申し訳ないくらいこたつの中で
ひるおび見てる時なんだよね。


で、気づいたらユニバに行ってました。
本当、さくっとね、7400円払ってました。


ってなわけで、前置きにかすりすらしない
ユニバに行ったって話をしたいんですけど、
ユニバつったって色々あるわけじゃないですか。

「ハリポター!」 とか。

「フライングダイナソー!」 とか。

ミニオンー!」 とか。

日常を忘れさせてくれる子たちが。

おっけー、おっけー。
うん、ハリポタ楽しいよね!
あの杖毎回超欲しくなる、なる。
で、使わねぇっていうジャッジで買わないっつー。

フライングダイナソー
最近できたんだけど、
もうあれを乗らずしてユニバ語れるか!っつー
あれだよね。宙ぶらりんになるやつ。

ミニオン。黄色い子たちね。
スチュアート可愛すぎる。

そんな感じで、それぞれ魅力あるものなんですが、
でも待って。皆何か忘れてない?
黒いフォルムで口から光線を吐く
つぶらな瞳のあいつ。

そう、なんつったって「ゴジラ 4D」です。
もうね、ゴジラを語らずして
ユニバは語れませんから。


本日、大阪湾にて巨大不明生物の出現を確認!
巨大不明生物は、以前東京に出現した巨大生物、
ゴジラ」と同一個体であると思われる。
巨大不明生物は現在、大阪駅方面に侵攻中。
君たちは新人パイロットとして、
ゴジラ掃討作戦に参加してもらう。


どうですかこの胸が熱くなる設定。
ゴジラつったらね、もう余すところなく怪獣。
怪獣100%みてぇなフォルム。添加物なし。
そんなゴジラが、東京、モスラキングギドラ
メカゴジラとの対戦を経て、ついに大阪に。


「スカイビルはダメでしょ。怪獣的に考えて」

そう語るゴジラ社長の目に、迷いはない。


もうね、あなたのこの先の日常で
怪獣を倒す作戦に新人パイロットとして
参加することなんてあります?
それが出来るわけ。大人も子供もお姉さまも
ユニバーさるって出来るわけです。


で、まぁ肝心の「ゴジラ4D」なんだけど
スポンサーのEDIONが主張しすぎとか
作戦中に「おい、新人!」つって呼ばれすぎて
新人が脳内でゲシュタルト崩壊するとか
そもそも200人超えちゃってる人たちを
「新人」に統一しちゃっていいのかとか
いろんな攻防があるわけですが、
なんつったってゴジラサイドへの
突っ込みどころをいかにスルーするかっつー
新人たちの戦いが肝になってくると思います。


んで、「ゴジラ4D」の前で自衛隊の人たちが
「号ー外ー!」つって配ってた新聞にね
ゴジラの侵攻状況↓が書いてるんですけど、


f:id:bukkiee:20170218222501j:plain



あれ?つって、ゴジラお前・・つって、
どう考えてもゴジラの経路が梅田ぶらり旅。
完全にぶらゴジラ
ユニバに侵攻!とか言ってっけど
これ見る限りあいつユニバとか
どうでもいいっぽい。完全に一回素通り。
どう見たって大阪観光の帰り道にちょっと
寄ってくかぁーつって来てる。

しかも、待機してる間
生中継 巨大不明生物!っつー
ライブ映像が流れてんだけど、
あいつ、梅田まで淀川つたって来てた。
ゴジラの癖に「よーどちゃん!」つって
呼ばれるくらいのファンシーな絵面。
橋とかもっとワイルドに壊せばいいのに
すげー几帳面に崩してってる。絶対A型。


そんなファンシーなゴジラ掃討作戦の
概要を説明する。


ひどく簡潔に済ませるならば、
ゴジラの口の中にミサイルを2発撃ち込めばよい。
それでゴジラを撃退できるだろう。


では、出撃!


つって、戦闘機でゴジラに接近してくんだけど
やっぱ近くで見るとゴジラさん半端ねぇ。
スカイビルとかすげー壊してる。
なんつーの?あの光線みたいなやつとか
いつもより多めに出しております状態。
そうだよ、そういうお前が見たかったんだって。
そんなゴジラの攻撃を縫いながら
一発目のミサイルを口内に撃ち込むことに成功。


「アンギャー!」つって
ゴジラはまた海へと帰ってくわけなんですけど
なんか、「もういい、帰る!」っつー
言葉が聞こえなくもないっつーか
そこは怪獣としてガッツを見せたらどうよ?
なんて思ってたら、帰り際にユニバを襲撃。
よし、よし、それでこそゴジラだ。
すぐにお口の中にもう一発ミサイルを・・・・
こ、この子なんかくわえちゃってるー!!

司令!ゴジラのお口にユニバの
入り口の地球儀がっ!

これ↓


f:id:bukkiee:20170218225627j:plain


司令
「おそらく、口にミサイルを撃ち込まれないようにくわえたんだろう」


いや、めっちゃ賢い!!!



もうね、この絵面を見るためだけに
見に行ってもいいくらいです。
そんな今や国民的大スター、ゴジラさんの
TV未公開、お茶目な部分が目白押しの
ゴジラ・ザ・リアル4D。
まだ見に行ってない人は是非チェックしてね。


ちなみに、ゴジラ
帰りも淀川通って帰ってったので、
私は母、姉ときてゴジラのケツも見送りました。

電車男(メン)


目を閉じると、どこからか
ラーメンの香りが漂ってくる。
こってりとしたとんこつの匂い。
ニンニクをたっぷり使った
濃いスープ、それに絡む麺。

「へい、らっしゃい!」

そんな大将の声を想像しながら
ゆっくりと目を開ける。





ちょっ、ごめん。
息吹きかけてくんのやめてくれません?

目の前にはおっさん(180cmオーバー)。
いやねー、これが街中だったら、
何だったら汚い路地裏であってもいい。だったら
ラーメンの香りが漂ったって全然いいんですけど
どう見回したってここは電車の中だし、
どう見たってこのとんこつの匂いは
おっさんの口から吐き出されてるものだし、、


しかも、このおっさん、何だろう。
呼吸法が独特っつーか、、、
どう説明したらいいかな。
なんかね、呼吸に全身全霊をかけちゃってる感じ?
この打者を抑えたら、憧れの甲子園だ!つって
もう、スゥゥゥーーーーーーーーーー、

(長ぇ!長ぇ!)

ピタッ、

ハァァァァーーーーーーーーーー

(臭ぇ!臭ぇ!)


おっさん!!俺の顔に全部かかってるから!!
もう、香りとか匂いじゃなくて臭。ラーメン臭。
あのねー、自慢じゃないですけど
僕、花粉症でも慢性鼻炎でもないんですよ。
いつだって顔にある2つの通気孔は
風通し抜群なわけです。
そんな僕がどこから息を吸うかつったらね、
もう紛れもなく鼻なわけですよ。
で、鼻つったら空気取り込むついでに
何らかのスメルだって取り込んじゃうわけ。
新鮮な空気ー!つって吸ったら
ラーメン屋の換気扇直行。

「へい、らっしゃい!」

っつー店長かすめながら換気扇直行。


しかもさ、おっさん(180cmオーバー)の排気口の
風向きが僕(170cmちょい)にちょうど当たる
くらいの角度で、おっさんの口と僕の鼻が
まさかのシンデレラフィット。
で、こっちも何とかおっさんの呼吸の合間の裏拍に
合いの手みたいに呼吸を入れてくんだけど
呼吸のリズム感が独特すぎて、何回かに1回は
換気扇の出すタイミングと鼻の野郎の吸う瞬間が
まさかのシンクロ率を発揮したりなんかして、
スープの中に頭突っ込んだみたいな臭いに
うわぁー!うわぁー!うわぁー!つって
お前はもう死んでいる。


別に、ラーメン嫌いとかじゃないんですよ、
何だったら好きな部類ですよ!
でも、電車の中での出会いは求めてないっつーか
ましてや、おっさんの排気口からとか、、
大体ね、鼻から吸えるってことは
鼻から吐くことも出来るんじゃないの?
鼻って片側一車線からの合流注意じゃないの?
おっさんの鼻、これでもかってくらい一方通行。
乗り口(鼻)、これでもかってくらい渋滞。
降り口(口)、これでもかってくらいの交通量。


(向こうに行けぇぇ~向こうに行けぇぇぇぇ~)


つって散々念を送ってみた。

どかないおっさん。

おっさんのこってりの息!

にらみつける!


みたいな攻防を繰り返してたら


車掌
「大阪ー、大阪ー」



人が降りていく。
おっさんの周りにもスペースが出来た。
こんなドア付近に陣取らなくても席に座れるよ。
さぁ、行くんだおっさん。
ラーメン臭引っ提げてどこへでもお行き。


したら、
おっさん、真横に来ました。



これが!!!!!!


ア おっさん
| 僕
| 席 席 席 席



こう!!!!!



ア 僕
| 席 席 おっさん 席 席



これねー、一見通路に行ってくれたことで
おっさんによる被害が
絶たれたように見えるじゃないですかー。
これ、ちょっとしたトリックアートで
種明かしするとね、


排気口


から


僕 ⏪ 排気口



スゥーーーーーーーー






全部!!!!!!




かかってるからァァァー!!!!!!!





彼女
「うわっ、にんにく臭っ、ラーメン食べました?」



スゥゥゥゥーーーーーー



全部!!!


テイクアウトしちゃってるからぁぁぁぁぁー!!!






えー、現場からは以上です。

「部屋ごとダンボールに入れてください。」

おかん
「引っ越しの日はバシッと押さえといたから
荷物ちゃんと片付けときなさいよ」


「はいはい」




・・・・あれから、何日経ったっけ。
ふと気づいたら、引っ越しまであと4日。

部屋を見回すと、
見慣れた配置に見慣れた家具たち。
四年間で溜まりにたまったレジュメの束。
冷蔵庫には、玉子にチンゲン菜
キッチンには、各種調味料。


全然引っ越せてねーー!!!



いや、ほら?
僕もなんだかんだ4回生で
卒論?とかね、忙しかったからね。
仕方ないよね。つって
ごくごく普段通りの生活をしてたんですけど
家に大量のダンボールが届けられてからの
もう、圧がすごい。ダンボールの圧が。

置くスペースがなかったんで
壁に立て掛けてたんですけど、すごい存在感。
食卓についたらダンボールとご対面。
あれ、うちの壁ってこんな色だっけ?っつーくらい
の視界一面茶色。

お前、飯なんて食ってる場合じゃねーだろぉー。

なんつって怨念めいた物を発してるあいつを
見ないふりをし続けてはや1ヶ月。
その頃になってきたらダンボールなんて
もう立派にインテリアの一員になってましたから。
何ということでしょう味気なかった空間に、つって
何らかのビフォーアフターが始まってもいい。
誰も私の聖域は犯せないのだ。



おかん
「明後日行くからね」


※に戻る。



引っ越しまであと4日!
怒られるまではあと3日!
3日?・・・3日あれば行ける!


とりあえず、膨大なプリント整理から始めよう。
くそ、何でこんなに量があるんだ。
もう、本当!後で使うかも・・・とかね、
使わねーから!ってことを過去の私に言いたい。
どんだけ保管してんの。
4年前のプリントとかあんだけど。



3時間くらいかかってラック部分の
整理が大体完了。ダンボール1つ分の
本と資料の束が出来た。


・・・・あれ、これ引っ越し出来るわ。
あと、服をダンボールに入れて
いらない調味料とか捨ててー、
なーんだ!引っ越し余裕ー!つって
したら、友達が今日泊まっていいー?っつーわけ。
え?何?今日泊まりたいってー?
全然おっけーおっけー!
ちょっと引っ越し準備で汚いけど、どうぞどうぞ!
もう、お前見ろと。見てけと。
この手際のよさ。このダンボール。

僕としてはさー、おー、ちゃんとやってるな。
っつーコメントを期待して迎えいれたわけですよ。
したら、開口一番、


全然終わってないやん!!(友達談)



いや、おめーさぁ、ダンボール見た?つって
ファイル整理の続きしながら

「使うかもしれんプリントとか見、」

「絶対使わん!捨てろ!
見る時間がもったいない!」


はえーーよぉー、否定が早ぇ。
飛ぶ鳥を落とす勢いがあった。
もうね、友達が怖かったです。
本当ね、後で使うかも・・とか、
使わねーから!ってことをね、
あれー、過去の自分に言ったはずなんだけど・・・
同じ過ちを繰り返しちゃってる訳です。はい。


友達の指導のもと、
いらない家電とか棚とかを
ばっこばこマンションのゴミ捨て場に
捨てていき、さらにダンボールを2つ作って
教官は去っていった。ありがとう教官。
さようなら教官。



別の友達×2
「明日泊まりに行くわー」



引っ越しするまであと3日。
うっしっし。これまた教官なってくれるんじゃね?
なんて計算しながら、
まー、友達を迎え入れたわけです。


したら、・・・なんつーの?
使えねぇっていうか。何もしねぇっつーか。
ちょっとした別荘気分っつーか。
ほんと、気づいたらおかんが来る日になってた。

その日も、友達はいたんですけど
ほんと、昼くらいまで寝てたくせに
おかん来るタイミングを見計らって
バリバリ掃除をし始めまして、
手伝わなくていいよー!なんつってたら


ガチャ


おかん
「あっ!こんにちはー。
あんた!何友達にやらせてんのよ!」


それずりぃーー!



そんな感じでね、
末っ子のズルさなんかを垣間見ながら
まぁ、とにもかくにも
無事に友達の協力を得て、
引っ越しを済ませた訳なんですけど
誰が一番頑張ったかって聞かれたら、
電子レンジも毛布も皿も炊飯器も
全く分別せずにぶちこんでたのにも関わらず
全てを何も言わず持ってってくれた
ゴミ収集車が一番頑張ったんじゃないかと。

包んで、開いて。

スーパーに春キャベツが出てきたので
ロールキャベツを作ってみた。


この料理できる系男子溢れる言葉。
今なら向井理くんと張り合えんじゃねー?


もうね、下宿生活4年なめんなって話ですよ。
ロールキャベツなんてちょれーちょれー。


キャベツむいてー、ゆでてー
たねつくってー、キャベツに包んでー、
あれたね多かったかなー、まぁいっかー。
つまようじで止めてー、
肝心のソースはカゴメの基本のトマトソース。
にコンソメ足して、ケチャップと醤油を少し。
寒いから唐辛子入れとこ。

うんうん、成長したなー自分。
動きに迷いがないよね!つって。
ことことことこと煮えるのを待った。

そろそろかなー。

パカッ

いいですねー、いい感じですねー。
ソースの味はと・・・・・うん、完璧。

ご飯も炊けたし、
盛り付けてさぁ、いただきまーす!!

さっそく、メインからいっちゃうー??


パクッ






・・・・まっず。



なんだこれ。気のせいか?


まっず。






もう、ロールキャベツを前に
無言でコナン君ばりの推理ですよ。

で、キャベツとソースに問題がないってことは
これは明らかにたねに問題がある!
真実はいつも1つ!つって
下宿4年の叡知をもって判断したわけ。

叡知もくそも、キャベツ以外の食感がない時点で
たねが固まってないってことはお見通し。
私、その人がたね作るの見てました。つって
その人っつーか、たね作ったの自分なんだけど。


ひき肉はへらでこねちゃ駄目。
これ基本だから。
あと、玉ねぎは炒めてからいれる。
そんで、塩もちゃんといれる。


もうねー、出来たときにたねが。たねの野郎が。
ペティグリーチャムのようなゲル状になるから。
っつーかもうキャベツに包む段階で
これ、固まってなくない?ってのは
7:3くらいで分かってたんですけど、
あんな子じゃなかったのに・・・って言えねー
っつー所はあった予期できた失敗なんですけど、
なんかめんどくさかったっつーか、
そこは、もう下宿歴4年の叡知をもってして
いける!って判断した。


お母さん、私はまだまだ
あなたには敵いません。



食べた私にしか分からないとは思いますが
一応、文章で味を再現してみます。

パクッ


トマァトー、キャベーツ、、にくぅみずぅぅー!玉ねぎぃぃぃぃー!!!!!



食べきりましたが、
トイレに幽閉されました。






(前回、記事を更新するとき、1度下書きに連れ戻したせいで通知がいってないようなので、よろしければまた読んで頂けたら嬉しいです。長いので暇な時にでも。)

bukkiee.hatenablog.com

うちの資源ごみの日は木曜日です。

前回の続きです。
bukkiee.hatenablog.com


総員につぐ
直ちに本体大脳付近に集合せよ 。



その日、私の頭の中では
朝から重役達による会議が行われていた。


議題
【 いくべきか、いかざるべきか 】


「クリスマスでしょ?イルミネーションでしょ?
んで、二人でよ?いくべきでしょ」


「今を好機と言わねば、いつを言うのだ!」


「待て待て、問題視すべきは
彼女にその気があるのかだ。」


「こちらの資料によりますと、
イルミネーションを二人でいくのは
多少の好意がなければあり得ないそうです。」


「どこのデータだそれは?出典元を開示しろ!」


「飲みの席での後輩との会話からです。」


「そんなものは建前論だろう」


「公私混同するな。
先輩、後輩の関係を越えるべきではない。
仲のいい上下関係として続けるべきだ。
第一・・・・・」


「失敗の責任は誰が取るんだ?」


「そうだ!」「そうだ!」


会議は終始、保守派の優勢。
またとない展開に浮き足だってた自信とか、
勇気とか後半やさぐれてた。喋れてなかった。
私の頭の中は、保守派リスペクト。
何かある度にひっきりなしに召集されてた
保守派の陣営には、数々の闘いを経た
モラルとか、体裁とか遠慮とか
21年間の私の礎を築いた歴戦の勇者が
おもむろに座っている。

かたや、改革派。おめぇちゃんと飯食ってる?
みたいな顔色の奴ばかり。給食で掃除の時間になってもまだ食べてる子ばっか。明らかにダメそう。
あと、過疎化がすごい。欠席者多数。
チャレンジ精神とか、向上心とか札だけ立ってる。



「では、通常運航ということで」


「意義なし」




いや、もーね。こうなってきたら
とことんビジネスライクで行こうぜつって。
親戚の子供くらいの距離感掴もうぜつって。
頭の中でよぎる「ひょっとしたら」なんて願望は
バイト先の店長への文句とかと一緒に
心の奥にフライアウェイですよ。
店長?誰それ?知らない知らない。
怒られたっけー??みたいな記憶の海に
ドラム缶ごと沈めまして、
改札くぐってくる彼女を待ちました。


寒空の下、白い息をはきながら
改札を見つめる。


(きっと君は来ない~♪一人きりのクリスマス・イブ♪フンフンフ♪ )


違う違う、来るから!
来ないと困るから!


駅前の改札が一番見えやすい所には
白い息がもくもくと上がっている。
お、お兄さん達も待ち合わせ?
寒いっすねー


お兄さん
「居酒屋いかがっすかー!」



( キャッチかよ・・・・ )



キャッチにまみれながら待ってたら、
改札から彼女がくぐってくるのが見えた。


キャッチ
「お姉さん、居酒屋どうですかー!?」


後輩
「何してんですか?」


(よし、特別感はねーな。)


イルミネーションの場所までの徒歩10分。
私はなるべくデート感とかイチャイチャ感とかを
消すために喋りまくった。
ファイルにプリントを詰め込みすぎて
ファイルの重さがドラゴンボールみたいな設定になってる話とか、家の中でポイッて放った物が四次元のごとくこつぜんと消える話とか、

もう、頭の中にある引き出しを開けに開けた。
途中、なんか昔のアルバムとか出ちゃって
懐かしいーつってお茶とか飲んだりしながら
使えそうな道具は全部引っ張り出した。
この日の俺のMAXはここだ!つって。

したら、さくっと息切れしたよね。
イルミネーション着く前に。
俺の任務は終わった。つって。スネーク!つって。
まぁ、何のステルス性もなかったんで最後は
無言のまま力尽きたメタルギアと化したんですけど


それが、イルミネーション着いた瞬間復活した。


もうね、すげーの!
ロームのイルミネーションってのは
ローム株式会社が慈善事業でやってるっつー物なんだけど、完全にガチ勢。え、これ慈善?ってレベル
正面から見ると光のトンネルのような並木道なんて
本当生きててよかったレベルの感動だったし、
しかも、これを女の子と見れるって素敵やん。

もうこれを思い出に生きてこう。
これだけで恋ダンス踊りきろう。


そんなことを思いながら、イルミネーションの中で
メインとされてる所に着いた。
スクリーンのように、壁に張り巡らされた電球から
光による映像が流れる。
やけにロマンチックな音楽なんかも流れてる。
そんな雰囲気に惑わされたのか
頭の中では、天使なのか悪魔なのかが
youいっちゃいなよ。などという不快な
ジャーニー語を垂れ流してる。
私は負けない。いや、負けたくない。
これが終われば飲みに行く約束。
約束ごと破壊するような賭けには出ない。

いや、出れない。

チキン
「任務完了だ。スネーク、速やかに帰還せよ。」

保守派のここぞという時の力はすごい。
だからこそ、これまでの平穏な生活がある。


後輩
「写真撮りましょーよ!」

「いいよー」


(この子は結局どうだったんだろう・・・)


ふと気づくと、彼女は
僕に寄り添うような形になっていた。




天使
「youいっちゃいなよ」



改革派のここぞという時の力はすごい。
時に、今まで無かった決断をしてくれる。
だからこそ、今の私の生活があるのだ。


とりあえず、言おう。



言うぞー
言うぞー
言うぞー
言うぞー
言うぞー


言わなくてもいいかなぁ・・・


消耗した。
したと同時、私の頭の中では
それ行け!と言わんばかりに
着々と言い訳を探し始める。


いや、ほら、まだ二人で遊ぶの2回目とかだし、
ドラマだったら4週目とかで
ようやく関わり合い持てるようになった所だし、
寄り添ってるのも、単純な自撮り技術つーか
なんだったら慣性の法則みたいな所あるし、、、
そんなこと考えてるうちにタイミング逃したし、、


保守派軍勢
「行こっかー」


おい、何勝手に喋ってんだ!


メインとされてる所から折り返して
もう一度並木道に戻ってくる。


実況
「さぁ、状況が俄然厳しくなって参りました。
この並木道を抜けてしまうともうイルミネーションはあ・り・ま・せん。(川平 慈英的な)」


解説
「そうですね、ここでシチュエーション点を逃すと、思いきった技が入れれませんからね。正念場です。(フィギュアスケート的な)」


天使
「youいっちゃいなよ」


保守派軍勢
「いやー、本間綺麗やんなー」


私の操縦席には、
相変わらず保守派軍勢が座っていた。
このままでは確実にこいつ(自分)は帰る。
どうすれば・・・


改革派
ヤシマ作戦を決行する。」


ヤシマ作戦・・・別名 時間稼ぎ


突っ立ってみた。
正確に言うと、イルミネーションに
心を奪われてる風を装ってみた。
フランダースの犬のように、ルーベンスの絵に心奪われる少年がいるなら、イルミネーションの光に心奪われる青年がいたっていいはずだ。
ただし、ネロのような純朴な精神はない。
告るか告らないか、それしか考えてなかった。
したら、

パトラッシュ
「ネロ、もう疲れたよ。」


まさかのパトラッシュ側からのオファー。


そりゃそうだ。彼女はかれこれ
30分以上は歩いている。
しかも、歩いた後に立ち尽くすネロに
付き合ってくれてまでいる。化物か。私なら帰る。


パトラッシュ
「最後に上から見たいから、歩道橋上りましょ」


DEAD! と見せかけて ALIVE!!


改革派
「あの、はしゃいでるとこ悪いんだけど
告白のセリフまでは考えてないんだけど。」


【会議室】
「至急、資料を集めてくるんだ!!急げ!!」

「記憶の中からリストアップします!」


好きです。付き合ってください(教科書)

お前は俺が守る。(ジャンプ漫画)

ずっと側にいてくれ。(スクエニ風)

一生一緒にいてくれや(ライフタイムリスペクト風)

前前前世から君を探してたんだよ(君の名は風)


ろくなもんがねぇ。
もう一度言う。ろくなもんがない。



もうやめちゃおう。そうしよう。
なんだよ、告白って。湊かなえじゃねーっつーの。
大体、4月から社会人になって
どこ飛ばされるかも決まってないってのに
大学に残るこの子と付き合えたって。
大体歩道橋ってなんだよ。
イルミネーションより真下通る車が気になって仕方ないし。手とかすげー寒いし。欄干鉄だし。
ボロいし。もうイルミネーションとか見てねぇし。
もう普通に終わって普通に飲みに行って
普通に帰ろう。向こうもその方が・・・
あれ、そう言えば向こうは?


ふと、横を見ると、向こうもまた
橋の上から呆然と車を眺めていた。


・・・・・・・



「あのさ、よかったら付き合わない?」



・・・・




・・・・・






・・・・・・・







「はい」




トゥールトゥルトゥル
トゥールトゥルトゥル
トゥットゥットゥルー♪


星野 源 - 恋 【MUSIC VIDEO & 特典DVD予告編】


続きません。終わりです。



完全に余談ですが、帰り道に手繋いだだけで
股間がオフサイド取られました。

シンプルが一番。

本当、気を許したら年明けてた。
ふと、気づいたら2017。
朝起きて歯磨いて、テレビ付けたら2017。

年末も年明けもなんか
リッジレーサーのごとく駆け抜けてった感じで
あれ?2017いたの?とか絶対言われてる。
飲み会とかで「今日あんま喋ってなくない?」
とか言われてて欲しい。

そんな2017年。
至るところで1年間の振り返りーとか
今年の抱負!とか言ってるけど
踊らされてない?
2017の手のひらで遊ばれてんじゃない?
その目標、恥ずかしくなんない?
ってことをねー、本当この場を借りて
店長に言いたい。

「KTIT」って何ですか?


前にも書いたけど、
私はかまぼこ屋でアルバイトをしている。
何で?とか何がよかったの?とかいう質問は
タイムマシンが出来た時に
私が過去の自分に問いただしとくとして、
とにかく、かまぼこ屋で
アルバイトをしていて、それが終わった。


本当ね、もう二度とやりたくない。
初日から初志貫徹したのは「やめたい」のみ。
思ったよりきついなーと思ったけど

「あなた含めて新人さんは3人だからー」

って聞いてたし、一緒に頑張ろう!つって
望んだ2回目のシフト。
僕以外の新人さんは初日で全員バックレてた。


それずりぃー!!


したらね、もう他のパートタイマー達が
無茶苦茶落ち込んでるわけです。

「私達の仕事って人から見てそんな嫌?」つって

なんだったら「どう思う?」つって


いや、新人だから!2日目だから!
こんなテンションのおばちゃんに
「僕もやめたいっす!!」とか言えない・・・。

そんなこんなで、三カ月の短期バイトを
全うしてしまったわけなんですけど、
もうとにかくねー、嫌なことを言い出したら
きりがないんですけど、店長が大分毒されてる。


朝のミーティングがあるのはいいんですけど
なんかもう、経営者のスピーチ的な?
「成長」とか「集中力」とか「向上心」とか
いや、ここかまぼこ屋っすからー。
ベンチャー企業じゃないっすからー。
自分らバイトっすからー。
バイトにかまぼこ市場の厳しさとか
マンパワーとか関係ないっすからー。

もうねー、就活のせいか
こういう文字面だけでよく見えちゃう言葉とかに
対する不信感がすごい。
この人、絶対トヨタ式仕事術みたいな本好きだわ~。


だから、年末最後のミーティングで
店長が来年の抱負とか言い出した時も
ドラえもんの絵描き歌を思い出す作業に
没頭していた。

店長
「今年は従業員の皆さんの頑張りにかかってます」

従業員一同

頷き


(○書いてぴょん♪○書いてぴょん)


店長
「今年、皆さんに求める目標は・・・」
(紙に書き始める)


従業員一同
ゴクッ


(お空で見ていたUFOがー♪・・・
あれ?見ていただっけ、、、)



「K T I T」

改善 ten improve three



(うわー・・・・)

(英語はないわー。標語はないわー。
しかも1個ローマ字じゃん。日本語訳じゃん。
改善のKは反則なんじゃねー?
Kの無理矢理感がすげーことになってっけど
改善、全然馴染めてないんだけど)

【大掃除の時】

事務室
トヨタ式仕事術」


(うわー・・・やっぱあったわー。
源流これだわー。)


一瞬で色々よぎりましたが、
出来の悪い僕にも色々熱心に教えてくれた店長。
嫌いではないんですよ?嫌いではないんですけど、
ほんと、何が言いたいかつったら、


その目標、恥ずかしくなんない?

クリスマスらしい話がしたい。

基本的には、書くに値しないような
くだらない生活を送ってるんだけど
ある日さ、目覚めるわけ。
これは、書かなきゃいけない。

僕のブログは有り難いことに
色んな人が読んでくれてる。
その中には、チャレンジ精神溢れた人や
とっても暖かい文章を書いてる人もいれば、
10年来の友人なんてのもいたりする。
こうなってくるとブログをどこまで赤裸々に書くか
思い悩んだりもする。



ところで、ものすっげぇ好きな子と
イルミネーション見に行けたらどうしますか??



彼女は大学のサークルの後輩だった。
1年前、新歓の飲み会で


『bukkieeさん、ちゃんと飲んでますかー!?』


なんつー気軽すぎる話しかけ方をされたのが
ファースト・コンタクト。そして

『飲んでる、飲んでる』

なんつって適当にあしらい、
ファースト・コンタクトは終わった。


転機は夏。


私は京都にいるうちに
どうしても五山の送り火が見たかった。
そりゃあもうめちゃめちゃ見たかった。
三条大橋の傍らから北の空を見上げて
夜に浮かぶ「大文字」を見れたら
四年間に渡る私の京都生活も
多少華のあるものになる気がした。
皆そうだと思った。




したら、二人しか集まらなかった。




「お盆なんだから実家帰ってますよー!うふふー」



なんつー、LINEの返信の山に
私は、後悔しても知らねーぞ!と言う旨の
脅迫文を送りつけておいた。
そんなことをしてる私も3年間
同じ事を言ってきたので人のことは言えまい。
精々2年後3年後、私と同じ衝動にかられた所に


「お盆なんだから実家帰ってますよー!うふふー」


などと送りつけられればいい。



ポイッ





自分いれて3人かぁー・・・
五山見に行くのに3人ってどうよ?どうなの?
いや、まー見れないことはないけど
両方そんな仲良くない後輩ってのはどうなの?
大して仲良くない人たちともって
大文字見上げるのって楽しいの?
ここは先輩として、潔く撤退した方が
いいんじゃないの?
大体、三条大橋じゃなくてマンションの屋上って
ロケーションはどうなの?


数日前、人混みを恐れた私は

「うちのマンションの屋上から見えますよ」

っつーもう一人の後輩の甘い誘いに乗っていた。


吉と出るか凶と出るか!
一生見ることないかも!という衝動で
私は決行に踏み切った。



凶だった。



あの、見に行かれた方います?
じゃあ、見に行かれた方々で
当日の京都の空模様言ってみましょうー!



せーのっ!!









どしゃ降り。




せーのっ!!





どしゃ降り。




ワンモアセイ!!





どしゃ降り。




えっと、神様?聞いてました?
僕、これ4年間の集大成なんですけど。
集大成のくせに2人しか集まらなかったけど
そこは大文字の魅力でなんとかなる!
つって来たんですけど。ほんと聞いてました?
どう見てもこれ全力で大文字
消しにきてません?



【速報】
五山送り火雨天決行!



いいよ、もうー!こんな終末の日みたいな
雨量の日に外で大文字なんて
ひとっつも見たくない。
ってかやれんの?嘘でしょ?
湿気るとかのレベルじゃないよこれ、
全力で消火されてるよ?
ってか来んの??


いくら雨天決行たって限度があるわ!
っつー空模様にも関わらず、彼女は来た。
来てしまったなら行かなきゃいけない。


雨はどしゃ降り。
あー、なんかのドラマでこんなシーンあったなー。

「こんな嵐の日に船を出すなんて無茶よ!!」


「事は一刻を争うんだ!!!!」



五山も何時間も燃えてる訳じゃない。
およそ一時間に満たない時間で五山は消えてしまう。
私は後輩のマンションまでかかる15分を計算に入れても余りある待ち合わせ時間を決めていた。


その余りある時間の大半は
駅構内で消化されてしまった。
このままじゃ五山見れないどころか、
駅構内での思い出しか残らない・・・
せっかく来てくれたのに・・・・


「こんな豪雨の中、歩いていくなんて無茶よ!!」


「事は一刻を争うんだ!!!!」




吉と出るか凶と出るか!!
雨の中を進むことにした。





凶だった。







もうね、雨ってレベル越えてた。
川横断してんじゃね?ってくらいの雨量。
五山見に行くのー♪なんて道のりじゃなかった。

五山を見に行くまでにどれ程の犠牲を払ったか。
お前たちの無念はきっと私が!つって
「与えられた使命を全うしに」つって
何らかのロード・オブ・ザを背負ってるっつー感じだった。15分なのに。目的地マンションなのに。


15分の道のりを倍以上の時間をかけて
看破した彼女と私には歴戦の勇者のパーティのような謎の結束感が生まれていた。
後輩のマンションに辿り着く頃とか
本当お互い涙目だったと思う。


「暗いし、雨だし何か出そうだね」つってたら
電灯の灯りの側に髪の長い女が立っていた。


ギョッ!!として私なんて

「うわーー!!!!お化けーーーー!!!!!!」
つって近所迷惑も考えずに叫んだし、

彼女なんか

「ぎゃーーー!!!」つって逃げた。






後輩だった。







雨の中外で待ってくれてたらしい。
いや、お前、もうちょっと場所とかあるだろ・・・



マンションの屋上から見た
「大」の文字はCaps Lookかかってんじゃない?
って程驚くほど小さかったし、
雨の中散々付き合わせたのもあって
帰りにケーキを奢ってあげた。
そこで思いの外盛り上がったのを機に
飲み会に誘うようになり、
ジャズバーへとつながる。

bukkiee.hatenablog.com

ジャズバーだったか二軒目だったか帰りだったか
とにかく、私はまたしても賭けをした。
私は京都にいるうちに、どうしても
ロームのイルミネーションが見たかった。
(以下略)



吉と出るか凶と出るか!!
イルミネーション見に行こうと彼女を誘った。






今度は吉が出た。




「誘うのめんどくさいですし、二人でいいですよ」




こうして、念願の女の子とイルミネーションを
見るというイベントにあやかれた。
その話はまた今度。