読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

就活 : 羊のホットライン

vs 就活 羊のホットライン

3月1日午前0時

「位置についてー、よーい、ドン!!」

それは、経団連が言ったのかもしれないし
パソコンに張り付いていた就活生が言ったのかもしれないし、企業の人事が言ったかもしれないし、もしかしたら、自分の頭の中で言ったのかもしれない
とにかく、その号令は鳴り、就活は解禁された。

待ち望んでいたやつ。不安に押し潰されそうなやつ
特に気にとめず、グースカ寝てたやつ、それ以前からやってたやつ。色んなやつがいる
不安なやつ、スクラム組もうぜ!

大体ね、大学生なんつー
この世で一番楽なことやってるやつが
働きたいわけないと思うんですよ
絶対今よりしんどいことは
目に見えてるじゃないですか
だから、僕が思う就活って文化祭に似てる。

行事としてはもう決められてて、
教師側も本当にやりたいの?みたいな
伝統だからやっとくかー、何か決めろーつって
で、投票なんかしたりして、
決まったら決まったで練習ー、とか?
皆やってるしー、やるかぁ、みたいな感じ
恐らく本気でダンス踊りたかったやつって
いないと思うんですね
でも、皆で何かやるのが楽しいっつうか?
青春っつうか?


今日も、こてんぱにやられまして、
人事の人にもう少し、自分について
考えてみた方がいいとか言われたりなんかして
一緒に面接してた中国人の方ばっかり
質問が飛ぶ中、僕への質問なんて
本当に当たり障りのないもの




はぁーーーーーーーー



氷結一本飲み干して、ベットに倒れる。



こんな時、就活ホットラインとかあって
全国津々浦々の悩める就活生と
慰め合えたらどれだけいいだろう
京都駅のホームとかに7時!白木屋!とか
書いてあって皆で集まれたらどれだけいいだろう



社会ぐるみの文化祭
仕事をするのは大前提で
周りがやってるって思って焦って
迷える子羊たちは就活仕様という狼の皮
を引っ張り出して町に出ていく。
じっとなんてしてたら不安が増してくる。


そんな中で、不安を隠してる羊は
周りを試してみる。
彼らは本気なのか自分と同じなのか
セミナーギャグとか飛ばしてみたりして
メッキを剥がしてみる。
したら、全然自分と変わらない子羊が出てくる
迷える子羊たちは、そうやって紛れ込んでいる

「よかったぁー、あなたも?」

とか言ったりして、周りの狼たちを見て、
頑張ろうと励まし合う。その声を隣で聴いてる狼は
家に帰って、皮をぬいで羊の姿に戻り、

「皆同じなんだなぁ」

なんてしみじみ思いながら、
羊仲間に電話とかして、また励まし合う。

「おー!元気?今日また仲間おったよ」

羊たちはもしかしたら全ての狼が
羊かもしれないとは思うが
もしも、相手が狼ならば食われてしまうので
自分も狼の振りをして外出する。
狼の姿である限りは安心なのだ。


外に出ると、
公園やファミレスに羊まるだしの後輩たちがいる。
駅には貫禄のある狼がたくさんいる。
たまに、貫禄のある羊や、
羊でも狼でもないやつなんかがいたりする。
羊まるだしの後輩たちを羨ましがりながら
とりあえずは、たくさんいる貫禄のある狼を
目指して、色んな狼に話を聞く。
彼らは伊達に年はくってなく、それぞれの
こだわりを持っている。
くせ毛がポイントだったり、匂いだったり
あの中にも羊がいるかもしれないなんて
迷える子羊には到底思えない。


でもたまーに、自ら命を絶つ狼がいる
そんな彼らの傍らには狼の皮がある


貫禄のある狼はたくさんいる。
求められるのが、彼らのような狼ならば
自分も羊ではいけないのだろう。
カッコいい狼がいるから。
群れに入りたいから。
こんな狼になりたいから。
そうやって羊は自分の皮を作っていく


狼にならないという道もある。
道の向こうでは、お洒落な羊だったり
最早羊でもないようなやつがおいでおいでをしており、入り口はネオンで装飾され、さながらドン・キホーテの様な出で立ちをしている。
しかし、よく見ると明かりは入口にしかなく、
後は暗がりが延々と続いている。
迷える子羊にもそれは容易に分かり、
自ら灯りを持ってくる以外に道はない。
苦手な火を持って、この道を走り抜けた者がああした羊になれるのだ。


羊が皆器用なわけではない
中には、家庭科の裁縫で
三日連続居残りさせられるような
不器用な羊だっている。
顔半分丸出して、おめーそれは駄目だろー
とか言われて色んな布を継ぎ合わせて
雑巾のようになった狼とかが普通に街を歩いてる
横着して市販されてる狼の皮を買うやつもいる
なんだったら『食べられません』ってプラカードを
首から下げた完全な羊なんかもいたりする。
そんなんが梅田をうろうろしてる。


(あ、なんかそれ面白いかも)


とか思った瞬間
アルコールを梯子にして
『よっ!』とか言って「楽観主義」が出てくる。

彼らはなんとかなるさー♪とか歌いながら
僕の頭を走り回り、
そのうち、「眠気」なんかが「忘却」を
ぞろぞろ引き連れてきて、
『とりあえず寝とけって、あと俺らやるから』
とか言いながら布団を準備してくれる


明日があるーさー♪とか歌いながら
『楽観主義』が灯りを消しにきて



よし、リセット完了




電車の中で寝ちゃったりとか、
コンビニの前でおにぎりを頬張ってたりとか
寒さに震えてたりとか、
そんな些細なきっかけで狼の下から
羊の毛やら耳なんかが見えたりしたときに、
言葉は交わさずとも、頑張ろうと思うのです。
言わないだけで、街中で羊を見かける度に
力をもらってます。

『羊のホットライン』ここにあり!