GWが明けようと、就活の明け方は見えない。
次から次へと来るESの締切
書いても書いても終わらない文章たち
話しても話しても伝わらない言葉たち
そのうち、行きたいと思うから書く
というより、行くために書くようになって
志望動機を書くというより探すようになって
初めの頃に作った使い回しの内容が
ひどく機械的に思えるようになって・・・
『深淵をのぞくとき、
深淵もまたこちらを覗いているのだ。』
僕は、哲学を学んだわけではないんですけど、
分かる。分かるよニーチェ
僕も、数多くの企業を受けながら
自分という深淵に向き合って
何枚もの志望動機を書いた。
あれらは、間違いなく自分で
生み出した言葉ではある。
でも、何故か自分じゃない
やったことは確かに自分のことだし、
志望動機だって自分で考えた
けど、紙面には別の自分がいる・・気がする
自分で生み出した言葉に
本当にそうか?って問われてる気がする
学生時代頑張ったことも
自己PRもあれだけ考えたはずなのに
もーね、他人の伝記を書き写してる気分
自分で考えたのに、他人事
へー。みたいな感じ。
嘘じゃないし、見栄だって張ってない
のに、何故か違う自分が生まれる
自己PRをしてくださいって言われて
私は~つって喋ってるけど
自分じゃない何かが喋ってる
シャーマンみたく憑依してる
きっと十字架とか向けられたら死んじゃう
自分の軸は何だろう
一体何がやりたいのか
もう一度考え直そうと思っても
自分で自分を分析する時でさえ
自分を分析している自分と
分析されている自分が誕生する
どこにいたって何を書いたって
自分を分析するときに別の自分が現れる。
ついには、独り言で喋れるようになった
俺は、ビリー・ミリガンなのか・・・・
『アホちゃう』
/ 母
いっそ、清々しいよね、うん。
確かに、僕だって将来自分の子供から
「僕はビリーミリガンなんだ」って言われても
たぶん『アホちゃう』って返すわ
でもさー、息子がね、本気で悩んでるところにさ
その対応はないんじゃない?
いいさ、いいさ、おかんにニーチェ先生への
理解を求めたことが失敗だった。
『アホちゃう』
/ 姉
(こいつもか・・・)
いや、お前は2年前じゃん!最近じゃん!
何で分かんねーの!?
いいさ、カピバラみてーな生活しかしてない
こいつに理解を求めた僕がバカだった。
ってな感じで自分が24人いたところで
やつらの『アホちゃう』の一言にすら
敵わないなってことは分かった
いいさ、どっかの金髪の錬金術師みたいに
「俺は、24人全員との対話を終えている」
つってやる。
ニーチェは俺が語り継ぐ。
帰り道、
JR大阪駅から阪急梅田駅に向かう途中
ふと上を見上げると
ビアガーデンの広告の垂れ幕がぶら下がってた
『あぁー、ビール飲みたい』
/ 阪急 ビアガーデン
ビール買った。
あぶねー、哲学とかしてる場合じゃなかった
ニーチェの言葉なんかより
よっぽど今の気持ちを表してたわ