信じてコンパス・オブ・ユア・ハート

ちょっと気を許した隙に
自分の年齢が27とかになってて
社会人生活も6年目とかに
なってきてるんですけど
なんつーかね、1年の画素が粗い。

同い年の羽生結弦くんが前人未到
4回転アクセルに到達してる間
こっちとら微動だにしてないわけです。
羽生くんの一年が4Kくらいの高画質で
送られてる中、同じ4でもこっちとら
4ピクセル程度の画素数しかないわけです。


朝起きてー、会社行ってー帰ってー
ご飯食べてーーー、寝てーー会社行ってー

そんな生活を繰り返してる中で
ふと天井を見ながら思うわけ。


あー、私はどこから来てどこへ向かうのか


あー、自分探してぇー
インドのガンジス川で自分探してぇー


6年目つったらね、ちょっとした
中堅扱いされるような年代なわけですよ。
後輩も多くできて、仕事も多少自分の力で
回せるっつーか、もう一人で泳いでいける
っつー年代だと思うんですけど、
えっと、、未だに息継ぎすらままらない。


どーしよの波が次から次へと押し寄せてきて
どーしよーどーしよどーしよどどどどどーしよ
つって、私の中のピグレットが多重影分身してる。


そんなピグレットの波をかき分けてる私の横で
後輩が次々と商談取ってくる
後輩の追い上げがすげえ
ビート板使ってなお瀕死の私の横を
颯爽とバタフライで泳いでく


私とかあまり喋らないことで
寡黙で少し怖いけど、仕事はこなしてる
みたいな先輩像をかろうじて作ってまして。

それがこないだ、後輩に
少し書類作成手伝って貰ったときに
「先輩、不器用じゃないですか?」つって
私がせっかく作ったパリパリの金箔シートの
メッキを外されかけまして。

違うんだよ、人によって
青に見えたり金に見えたりする服とかあるじゃん。
あれと同じで、君から見た角度では
紙の皺っぽく見えるけど、
こっちから見たら皺がないっつーか
今日は調子悪いっつーか。

あえてね、悪い見本をね、出したんですよー
って言ってる間に背後から事務のおばちゃんが
また事務の書類間違えてますよー!つって

ほんとタイミング!
振り返ると金箔シートの道がけつの穴から
ズボン通り越してはみ出てっから
あぁ、この道を辿っていくと
ガンダーラまで続いてるかもしれない。


剥がれた薄いメッキを拾い集めてるうちに、
気づくと私は、転職サイトの門を叩いていた。


叩いてたっつーか、ちょっと覗くだけ
鏡の前で合わせて見るだけーって近づいたら
鬼の速さでエージェントから面談の依頼が来た。


エージェント。。。


いやいやいやビビってねぇ、ビビってねぇよ

白馬の王子様が如く、エージェントが
私に合う仕事を見つけてくれるかもしれない。



・・・あれから早半年



連日のように企業からのスカウトが来て
なんかヘッドハンティングされる気分を
味わってたわけなんですけど
やべぇー、まぁたスカウトされちゃったよー
つって悦に浸ってたわけなんですけど
もうね、肝心の活動が全然進まないのね。


駅のホームで林遣都くんが
「変えるならきっと今だ」つってから
半年経っちゃってる。
林遣都くん終電逃してるどころの
騒ぎじゃないですから。
半年つったらもう駅の主みたいに
なっちゃってるから。立派なホームレスですよ


で、気づいたんですけど
転職するにも、やりたい仕事が
分からないとだめだと。
さくっと調べたところ、
今の仕事の中で嫌だったことと
嬉しかったことをメモ書きするといいらしい。


う、嬉しかったことって何だろう、、


嬉しかったことノートが埋まらない一方で
嫌なことノートの埋まり具合がすげえ
平日朝の埼京線みたいになってる
つま先で立たないと入れないみたいになってる


半年も経つと、もう季節は春なわけで
またまた新入社員が入る時期なわけです


嫌なことを列挙しすぎて半分呪霊みたいに
なった私に、迫りくる先輩社員インタビュー

一寸の曇もない眼で、解き放たれる
「仕事でやりがいを感じたことを教えて下さい!」


もうね、画面越しだったけど
目がぁぁぁぁー目がぁぁぁーってなりました。



さて、ガンジス川への旅費でも調べるか