今日鬱になった。
診断書という薄っぺらい紙は、私のことを 双極性障害2型と名付けた。私は元からテンションの抑揚は強くて それは私の中学まで遡る。
小学生の私は友達が多かった。
私は末っ子でわがままに育ち、でも 人の心に寄り添うことができる子だった。
私の地元は、関西なので面白いことが 人気者になる条件の1つだった。し、 それに疑問を持つこともなかった。
足が速い子、顔がいい子、勉強ができる子 と同じように面白い子がいるだけ。
きっと、分からない人には一生分からないけど 小学校の教室の真ん中は、面白い人だった。私には作れないギャグがいっぱい量産された。
いっぱい笑ったし、負けじと同じくらい面白いと思うギャグも作った。
でも、私は真ん中にいなかった。 なぜなら、私の作る面白いは 万人受けしなかったから。
それに気づいたのは 中学生になってからだった。
私は、端的に言うと排除された。
学校は苦痛でしかなかった。小学生の頃の友達は、苦い表情で少しずつ私から離れていった。顔がごめんと言ってたから、残酷だけど、仕方ないと思った。私といるメリットがなさすぎた。私はわがままを加速させすぎて、数少ない友達を笑わせることすら出来なくなっていたから。
面白いものを必死で探し、 色々良くないこともやった。私は、末っ子でわがままだから人気者になりたかった。お母さんを一人占めしたい感覚に近い。あの日の教室の真ん中にいたい。 私の脳裏にある景色は、 面白い人が真ん中にいる景色だ。
でも、どうやら中学生は違うようだ。 平気で人をいじめる人が真ん中にいる景色。
群れる。群れる。群れる。
会話内容は欠片も面白くない。あなた達は何故それで笑えるの?何故?
私は、幸い早々に出る杭として打たれたので ひっそりと息を潜めて、教室の隅にいた。隅にいても暇なので、ずっと会話を聞き 人を観察することに3年間を費やした。
中学校では、毎日どこかで 必ず誰かがいじめられていた。 当時は、そこまで厳しい時代じゃないから 先生も見てぬふり、保護者が 殴り込んでくることもほとんどなかった。
し、今のように、つらかったら逃げてもいい みたいなクソみたいな無責任文書がネットに 垂れ流しにされることもなかった。
あなたたちは何故人の物を隠して笑えるの? 必死で探す人を見て何がおかしいの? 人の髪の毛勝手に切ったり サッカーボールを人にぶつけて、ぎりぎり外れて 悔しい〜!!とかで何故笑えるの? あなたは面白いの?
あなたは顔が引きつってるから、きっと違う。
異様に人の表情に敏感になったのは、このクソみたいな中学3年間だった。 ただ、そのおかげで得たものもある。
悪口を言われても明るく返せば 基本的にいじめっ子達は、友達になれる。
何故って?
だって、あなた平然とブサイクって 言われてるけどクラスの真ん中にいるじゃない?
そう、私にとってのヒーローは、変わらず 教室の真ん中にいた。 いじめとかの面白くないときは参加せず 面白そうときには参加して、 部活なんかやってなくって、帰宅部だし いじめられる要素しかないのにクラスの真ん中で いじめっ子達を笑わせてる。
かっこよく見えた。
そのヒーロー達は、 私のことを面白いと言ってくれた。 なんならいじめっ子達に、
こいつオモロいから!笑
って平然と言い放ってた。 直接は助けてくれないし、 そもそもどういう意図でそれをやってたのかは 当時の彼にはもう聞けない。
でもやっぱり私のヒーローだ。
就職して東京に来た。
東京という街は私には冷たく感じた。
忘れもしない配属された日、 私は上司からいじめられた。
どうやら私の目つきが悪いらしい。
普通に目が悪いだけなのだけど、 人を睨んでるように見えるそうだ。 そんな程度の理由で、大の大人が 平気で私をいじめた。
それは、あの日の教室よりもっと陰湿だった。
大人のやるいじめだった。
つらかった。
こんな思いをしてまで 何故この会社にいなきゃいけないの? そう思ったけど、入社数カ月で退社すると確実に 今後の人生が困難になる。 当時はまだ転職全盛期じゃなかったし、 配属されて速攻でいじめられるのは、 最早私に原因がある。
変なところで真面目だった。
というか、単純に負けたくなかった。
卑怯な手口。バレない手口。陰口。 汚い。大人は卑怯だ。
文句があるなら直接言って来い。
この街で、この会社で、この部署で この環境で、8年頑張った。
私は部署のエース営業になった。
もはや私の稼ぐ売上は、 会社のエースレベルの人材の数字だ。30後半〜50歳の超優秀な先輩や、 マネージャー層と話す方が楽しくなった。
でも心の中には、わがままな自分。
何で私が。何で私ばっかり。 何で仕事してる私より仕事してない あいつの方が給料いいの? 何で鬱になったやつばっかりよしよしするの? つらいって言ったもん勝ちなの?
でも、鬱になった後の処理を 引き受けた身としては、逃げることで、 どれだけの迷惑がかかるかを身に沁みて感じたから、やりたくなかった。
だって引き継ぎされた私は面白くなかったし、普通に笑えないし。
だから負けじと頑張った。 死ぬほど残業もしたけど、つらくない振りをした。
全部を笑いに変えようとして頑張った。
色んなことを抱えすぎたのか、 会社で立てなくなった。
今日鬱になった。
診断書という薄っぺらい紙は、私のことを 双極性障害2型と名付けた。
いじめてた上司が偉そうに お前は頑張りすぎたんだよって 平気な顔で言ってきた。
死ねと思った。
でも、いい人だし死ねは面白くないから言わない。
たったの3千円で買える紙。 それだけで、私は一気に可哀想な人になった。
私を理解してない人が平気で薄っぺらい同情と 励ましのメッセージをくれる。
でも、たぶん私のことを心配してくれてる。 から言わない。
あなたを呪ってる。
だって、それは面白くないでしょ?