※前回の続きです。
大阪のたこ焼き屋 友達と昔話に花が咲く。
私から大阪の笑いのレベルが下がったと言う。
試しに大阪の笑いを試しに相席屋に行こうと
持ちかけたが、友達に却下され、
なぜか西成のガールズバーへ。
帰り際に、たこ焼き屋のトイレを借りたら、
なぜか向かいのゲームセンターを借りて
とのことだった。
ゲーセンのトイレには、
使用不可の注意喚起の張り紙が多数。
この頃の私は、ふと視界に入るものを
張り紙とか標識を神様からの啓示だと思ってた。
端的に表現すると、超やべー奴である。ごめん。
怖くなって店主に聞いたら
トイレの貸し出し許可なんてないとのことで
店主は大変憤っていた。聞いて良かった。
店主は、私には許可を出してくれた。
何だろう、こんなギスギスした街やっけ大阪。
西成への電車で、痴漢!ダメ絶対!!の看板。
神様の啓示かと思って周りを見渡す。
これもう絶対信じて貰えないと思いますが、
後ろ向いたらまじで痴漢に遭遇。
ジーザス。まさかのおばちゃんとおじさん。
どうせ助けるなら女子高生がよかった。
てかみんな無視。びっくり。
おばさんが超アイコンタクトしてる。
おっさんが超やっちゃってる。
超やっちゃってるよ〜。これ私〜??
いっぱい人いるよ〜?って
友達に声かけたらフル無視。
ははぁーん、神様、私を試してるのね。
(大沢たかおスマイルでお願いします)
頑張って痴漢してるオヤジに声をかける。
「あの!かばんを網棚に上げたいんで、どいてください!」
千と千尋で言う、ここで働かせてください並みの声量。
痴漢ですとは言えなかった。言えなかったけど、とりあえず、二人を引き離した。
おっけー。私は漫画のキャラばりに
今のうちじゃつって目配せ。
したら、助けた女の人からまさかの「はぁ?」
メンタルが撃沈。
西成に着いた。友達が笑いながら
「へぇーそうやって助けるんや、大人やね」
と言ってドリンクをおごってくれる
"CHILLOUT セブンゼン柄"。
なんやねんそのチョイスと柄。
てかこいつ何なの?
「ここからすぐにガールズバーあるから」
って言われて私はフラフラでついてく。
先ほどの精神的ダメージが大きい。
「ついたで!」
けど、それを超えるくらいびっくりした。
見上げると大阪ディープストリートなる謎の商店街があった。見渡す限り全てネオンが光ってる。
「これってどこが何の店??」
「どれもカラオケバーです笑。どの店行ってもサービス同じでございます」
いよいよ狐につままれるような話になってきた。賢明な読者諸君と私の感想は同じである。
ありえない。こんな場所。
見渡す限りのカラオケバーの中で
入店したのは、ガールズバー心(ソウル)。
(マジで存在します。)
狭い木のカウンターだけの店。
店員さんは皆20代前半だろうか
店長さんの他に2人の女性がいた。
店は、10人も入れば満杯になりそうだけど
おじさんが2人座っていただけであった。
理由はすぐに分かった。値段が軽いぼったくり。
一杯だけ飲んで帰ろうと芋のお湯割りを頼む。
したら、店員がお湯割りをまさかのグラスで提供。
「何でグラスやねん!」
グラスがクソ熱くて突っ込む。
びっくりしたけど、店員さんはボケじゃない。
普通に天然でやってる。
ボケじゃないの?まじで?
つっこんだ俺に奥のおじさんが視線をくれる。
奥のおじさんがジーマを頼む。
「ジーマ2500円になりまーす。」
(高すぎやろ・・・)
「ほなビールでええ」
(ツッコまないの?ツッコまないの?明らか高いよね?)
しばらくして分かった。
店員さんには、悪気がない。
全部真面目に答えてるだけだ。
(だから皆ツッコまないのね・・・でもそんなのって大阪じゃない。大阪ってもっと一般人でもフリとボケにこだわってて、東京とは違う人情があって、こんなのこんなの大阪じゃない。。。)
カラオケがあったので、おっさん2人に向けて
私からアンジェラ・アキの手紙を歌った。
もうここは僕の知る大阪じゃない。
あなた達は、何を思って座っているの?
そう考えると泣けてきて、大泣きした。
歌い終わって私が大泣きしてると
店員さんが慰めてくれた。
おもろくないけどいい子はいい子。
東京と同じだ。
私の歌に店長さん、おじさんが拍手をくれる。
おじさんからのアンサーソング。
アンサーソングは、よく知らない曲だった。
何の歌か曲名は忘れたけど、印象的は歌詞だけは覚えてる。
君が眩しすぎて。君に全部背負わせて。
おじさんも涙目だった。
この日僕らは、確かに通じあった。
なら、と思ってもう一つおまけにアンサーソング。
私は東京で面白いにこだわってきた。
行きつけのガールズバーには
私の名刺が飾られている。
あなた達が諦めた「皆で楽しい」は、
私が見せてやる
おじさんも元気だせよ、店員さんも元気だせよ。
みんな元気だせよ。
魂の叫びだった。
途中店員さんに交代。ほっそい声。
仕方なく歌ってる感。
どうしようもなく腹が立って
「なめんじゃねえ!!ここはソウルやぞ!!!」
私は負けじと指揮を執る。
クレッシェンドクレッシェンドクレッシェンド。
いいね!!!
店員含めてみんなで盛り上がって任務完了。
あまりの盛り上がりに見物客が多数。
ソウルはその日、大盛況になった。
さっきまでの溝が嘘みたいに
店員さんとお客さんが話している。
どうやらつまらない壁は無くなったようだ。
これが令和の三つ星つって
私はキムタクスタイルで退店
(グランメゾンの3本指たてるやつ)
場所を変えて2軒目。バー咲ちゃん。
友達と常連客と一緒に大阪談義。
コロナ以降やっぱり街は変わってしまったそう。
悲しいけど、この街には、
笑いにこだわってる人が少なくなってしまった。
ただ、おじさんたちが笑いの押し付けをすることで若い子もイライラしてる。
「面白いって人それぞれですから」
私は、かつて、東京で後輩から
指摘された言葉を思い出す。
The大阪のような人情は、東京では通じない。
し、令和の大阪でも通用しない。
時代が変わったんだと初対面なのに力説。
彼曰く、営業マンは大阪の方が強い。
だけど、関西人だって
東京の方が居心地いいって人
私の周りでは増えている。
彼らは、そのことにご納得いかない様子だった。
私は間違ってへん。だって私は10年東京で面白いにこだわり続けてきたから。私がいると面白いと思って貰えるように頑張ったから。
彼らは言う。笑いを分かる人がいない。最近の若者はしょうもない。かつて、東京で非難された私と同じマインドだ。
でも優しさもある。あなたは、あなたに合う人だけと仲良くしたら?皆と仲良くは大変よ?
議論してても埒が明かない。
私はミセスのビターバカンスを歌う。
辛いことばっかじゃないこと君に教えたい。結局私は東京に帰るけど、笑えた今日を大事にしまっていこう。
続けてコブクロの轍を優しく歌う。
轍さえもない、道をただ進め。
泣き出すおじさん多数。
おじさんから先生と呼ばれる。
みんなが泣くので、
私は気を使って一度店から出る。
どうも先程のカラオケは電話で中継されていたらしい。
商店街を歩いていると
どの店からもコブクロの轍が聞こえる。
これも異常だ。
歌ってと言われて1件入店して歌う。
歌うだけ歌って帰ろうとしたらまさかの金払え。
現金が少なくて慌ててATMを探して歩く。
ふと目にひったくり注意の看板
刹那、何処の国かも分からない外人が
近づいてくる。
怖い怖い怖い
走ってバー咲ちゃんまで戻る
しらこく友達がニヤついてる。
「お金大事やんな?」
「当たり前じゃぼけ!」
「したらもう現れへんわ。帰ろか」
意味が分からない。こいつは何なんだ。
お会計。
あまりに現実離れしすぎて
近くのものをひとしきり触る。
触れる。触れる。触れる。
友達にも恐る恐る触る。
触(さわ)れる。
ならこれは現実??
どうにも自分を信用出来なくて、
写真を撮ろうと思ったら携帯がない。
やっぱり狐だ!と思ったらあっさり出てきた。
途端に大阪ディープストリートはシャッター街になった。
「これが現実ですよ。寂れてるっしょ?」
私は、訳の分からないまま帰路につく。
「ちゃんと帰れよ!笑」
友達は、確かに見送ってくれた。
けど、私はどうも寝過ごしたらしい。
気づいたら私は、御堂筋線の江坂駅に着いていた。
〜続〜
PS:神様の啓示で1番笑った看板を、証明書としておきます。@ゲーセンのトイレです。やるわけ無いやろ。
