以下 「臨死体験の討論をめぐる考察」より引用
少年Aは、事故にあって意識不明の重体であった。その際、意識の中ですでに死亡した曽祖父に会った。
少年が暗闇の中でたたずんでいると向こう側にぽつんと光が見えた。光の方向に歩いていくと曽祖父と思われる老人から今すぐ帰れ!と暗闇の方に投げ込まれた。
暗闇に投げ込まれた少年が目を覚ますとそこは病院のベッドの横であった。
この話と同様に、命の瀬戸際に、暖かな光を見ていると光の方向から追い返された。暗い方向に進むと現世に帰れた。などという体験が多数報告されている。
報告されてますよ〜と。
※以下、黒(現世)白(あの世)とします。
※前回の続きです。
臨死体験っての知ってる?
死ぬ間際に三途の川が見えるとか、
死んだ家族から追い返されたとかそんなの。
そんな馬鹿けだ現象が
人はどの段階で死ぬのかっていうテーマで
きちんと学術的に研究されてる。
ホテルへの帰りの電車の中、私は声を聞いた。
どうやら二人組の男が席に座って会話しているようだ。
「こいつどうする?」
「いやーめっちゃ迷うんすよね。
ええ奴やから返してあげたいんですけど」
「そうだね、俺もう担当外れたから
そっちに依頼するしかなくてさぁ」
1人は関西弁1人は標準語であった。
しばらくすると頭の中に声がなった。
「ええか、この次の駅で優先座席が空く
そしたら列車が止まるまで待て。
決して途中で降りるな。降りるなよ」
私は、神様の啓示だと思った。
ブンブン頷いて次の駅で優先席に座った。
御堂筋線の江坂駅は終点だったのか。
今ではよく分からない。
とにかく、気づいたら江坂駅で降りていた。
ふと見ると江坂駅の車掌室に薄い明かりが見えた。
私はトランクを押しながら車掌室のドアノブを回す。
当然ながら開かない。
「何してはるんですか?こっちに来なさい」
突然車掌のような男から声をかけられた。
男はホームへの階段を下りるように言った。
ホームへの階段は明るかった。
明るいと死ぬと本気で思っていた私は、
降りたくなく、目をつぶり
ホテル大阪梅田、ホテル大阪梅田と
必死で唱えた。この場所から逃げたい。
論文で見た死者の国だと思ったのだ。
終電過ぎて頑として動かず
男はさっきまでと違い優しい声で言った。
「ついておいで、大丈夫だから」
あまりに優しい声にほだされてつい付いていくと
タクシー乗り場に案内してくれた。
終電過ぎの外は暗かった。黒(現世)だ。
タクシー乗り場には、5人組のサラリーマンがたむろしていた。みんな黒のスーツ。。、?
黒。黒。スリーピース、白シャツ、白ネクタイ
現世。現世。どっち?。どっち??。どっち???
彼らは、トランクにリュックという明らかに観光客の私にタクシーを譲ってくれた。
どっち?黒(現世)か白(天国)かどっち?
タクシーが止まる。
白い車体に黒い線が入っている
だからどっち!!乗っていいの?ダメなの??
ライフカード続く!
白をあの世だと思っていた私はその場で待つことにした。
すると、近くにある商業施設の柱の影から
声が聞こえた。
「こいつおもろいやろ?」
「おもろいっていうか病気ですね」
これは信じなくてもい。
もちろん本人なんていない。妄想だ。
彼らは、私にとって笑いの神様だった。
バイブルだった。一目会いたい。会って話がしたい。もう二度とこんな機会ない。彼らに会いたい。脳内で必死に呼びかける。
が、どうも向こうの決まりで会えないらしい。時間は深夜1時を回っていたと思う。私にとっては神に等しいのでホテルに帰るなどどうでもよかった。
(この時点でお二人の死を想像したが、きちんとご存命であるようだ。私の妄想でよかった。)
相談を続ける彼らに私は、脳内で必死に叫ぶ。
「一緒に令和のお笑いコントやろうぜ!」
ポケモンのサトシか。でも私は試したかった。私がこだわってきた面白いが、私の笑いの神様にどう評価されるのか。私は、大阪の街歩きで自分の面白いこそが令和の面白さの正義だと思っていた。
散々食い下がり、ついには、逃げるのかー!卑怯者〜!などと炭治郎ばりに叫んだ。
「そこまで言うならついてこいや」
遠くに猗窩、、坊主頭とリーゼントの男が歩いて行くのが見えた。当然だが坊主が松本人志様、リーゼントが島田紳助様である。
喜んで付いていくと小さなホテル?劇場に来た。
エレベーターホールで待つ。いくらでも待ってやる。私の夢が叶うのだ。
「観客は誰にすんねん」
「自分誰か呼びたい人おらんの?」
私は、頭の中で友達同期後輩、笑わせたい人たちを思い浮かべた。 彼らをお客様でやりたい。そうして笑いの神と作り上げた。
【1人コント コンビニ】役者 bukkiee
会場は、江坂駅のローソン。
陳列棚にあるボケに私が突っ込んで行くというコントだった。
ボケは観客席のお客様が考える方式で私の言動がよければイイね音が聞こえる仕組みにした。
観客席の人は、私と直接喋ることができないのでボケに反応できるかは私次第だった。
暗転
※このコントはサイレントです。
観客席のボケ、もしくはボケに対する私のツッコミで笑いになったものを買い物かごに入れて最後に会計をする設定です。
場面転換は全てラジオ体操の上体反らし(腰に手を当てて背中を反らす)の塩梅で行います。
暗転
このコントは、本当にやった記憶があるのだけど最早江坂駅のローソンの監視カメラにしか残っていない。
当時の映像が残っていれば、コンビニ内で異常なほどコーンスープを買い込む謎の男が映し出されるだろう。私だ。
臨死体験では、共有体験を起こすことがある。
患者が見たものを夢などで共有することだ。
私は後日このコントについて、観客席にいた彼らに聞いてみたのだが、残念ながら記憶は私の中にしか無いらしい。非常に残念である。
大事なことなので、もう一度言う。
このコントは、実際に私がやった(であろう)ものだ。
気がつくと、冷たい地面の上にいた。
私の前には鉄格子が見えた。
淡い緑色の鉄格子。
後ろには、むき出しの汚い和式トイレがある。
何故か私には毛布が被せられていた。
直感的に分かった。
私は捕まったのだ。
檻の中は黒かった。
腰を大きく反らす
暗転
〜続〜