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「部屋ごとダンボールに入れてください。」

おかん
「引っ越しの日はバシッと押さえといたから
荷物ちゃんと片付けときなさいよ」


「はいはい」




・・・・あれから、何日経ったっけ。
ふと気づいたら、引っ越しまであと4日。

部屋を見回すと、
見慣れた配置に見慣れた家具たち。
四年間で溜まりにたまったレジュメの束。
冷蔵庫には、玉子にチンゲン菜
キッチンには、各種調味料。


全然引っ越せてねーー!!!



いや、ほら?
僕もなんだかんだ4回生で
卒論?とかね、忙しかったからね。
仕方ないよね。つって
ごくごく普段通りの生活をしてたんですけど
家に大量のダンボールが届けられてからの
もう、圧がすごい。ダンボールの圧が。

置くスペースがなかったんで
壁に立て掛けてたんですけど、すごい存在感。
食卓についたらダンボールとご対面。
あれ、うちの壁ってこんな色だっけ?っつーくらい
の視界一面茶色。

お前、飯なんて食ってる場合じゃねーだろぉー。

なんつって怨念めいた物を発してるあいつを
見ないふりをし続けてはや1ヶ月。
その頃になってきたらダンボールなんて
もう立派にインテリアの一員になってましたから。
何ということでしょう味気なかった空間に、つって
何らかのビフォーアフターが始まってもいい。
誰も私の聖域は犯せないのだ。



おかん
「明後日行くからね」


※に戻る。



引っ越しまであと4日!
怒られるまではあと3日!
3日?・・・3日あれば行ける!


とりあえず、膨大なプリント整理から始めよう。
くそ、何でこんなに量があるんだ。
もう、本当!後で使うかも・・・とかね、
使わねーから!ってことを過去の私に言いたい。
どんだけ保管してんの。
4年前のプリントとかあんだけど。



3時間くらいかかってラック部分の
整理が大体完了。ダンボール1つ分の
本と資料の束が出来た。


・・・・あれ、これ引っ越し出来るわ。
あと、服をダンボールに入れて
いらない調味料とか捨ててー、
なーんだ!引っ越し余裕ー!つって
したら、友達が今日泊まっていいー?っつーわけ。
え?何?今日泊まりたいってー?
全然おっけーおっけー!
ちょっと引っ越し準備で汚いけど、どうぞどうぞ!
もう、お前見ろと。見てけと。
この手際のよさ。このダンボール。

僕としてはさー、おー、ちゃんとやってるな。
っつーコメントを期待して迎えいれたわけですよ。
したら、開口一番、


全然終わってないやん!!(友達談)



いや、おめーさぁ、ダンボール見た?つって
ファイル整理の続きしながら

「使うかもしれんプリントとか見、」

「絶対使わん!捨てろ!
見る時間がもったいない!」


はえーーよぉー、否定が早ぇ。
飛ぶ鳥を落とす勢いがあった。
もうね、友達が怖かったです。
本当ね、後で使うかも・・とか、
使わねーから!ってことをね、
あれー、過去の自分に言ったはずなんだけど・・・
同じ過ちを繰り返しちゃってる訳です。はい。


友達の指導のもと、
いらない家電とか棚とかを
ばっこばこマンションのゴミ捨て場に
捨てていき、さらにダンボールを2つ作って
教官は去っていった。ありがとう教官。
さようなら教官。



別の友達×2
「明日泊まりに行くわー」



引っ越しするまであと3日。
うっしっし。これまた教官なってくれるんじゃね?
なんて計算しながら、
まー、友達を迎え入れたわけです。


したら、・・・なんつーの?
使えねぇっていうか。何もしねぇっつーか。
ちょっとした別荘気分っつーか。
ほんと、気づいたらおかんが来る日になってた。

その日も、友達はいたんですけど
ほんと、昼くらいまで寝てたくせに
おかん来るタイミングを見計らって
バリバリ掃除をし始めまして、
手伝わなくていいよー!なんつってたら


ガチャ


おかん
「あっ!こんにちはー。
あんた!何友達にやらせてんのよ!」


それずりぃーー!



そんな感じでね、
末っ子のズルさなんかを垣間見ながら
まぁ、とにもかくにも
無事に友達の協力を得て、
引っ越しを済ませた訳なんですけど
誰が一番頑張ったかって聞かれたら、
電子レンジも毛布も皿も炊飯器も
全く分別せずにぶちこんでたのにも関わらず
全てを何も言わず持ってってくれた
ゴミ収集車が一番頑張ったんじゃないかと。