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君の名は 〈G級〉

彗星を見て同い年の女の子と
入れ替わるみたいな『君の名は』的な
イベントに鉢合わないと結婚できない気がします。


こないだね、学祭があったんですよ。
で、サークルでたこ焼売ることになって
テントで黙々とたこ焼を生産してた時に後輩が

「隣のテントに元彼いてすごい嫌なんです~」

ってしきりに言ってて
それに周りの仲間たちがこぞって
分かるよーとかつらいねーとか
何で別れちゃったの?とか言って慰めてるのを
我関せずつって遠巻きに眺めてたのね

したら後輩の野郎が

「bukkieeさんはどう思います?」つって

その角度からっ!?
みたいな振り向き様のキラーパス
放ってきやがったんですけど


あのね、まず言わせて欲しい。
え、彼氏いたの・・・??
あたかも皆さんご承知の通りみたいな
テンションで聞いてきたけど・・
僕知らないんですけど・・・
え、で別れたの・・・・・??
何知らない間にアバンチュールしちゃってんの?
何で皆知ってんの?

もうなんかこの時点で完全に
健気な後輩の相談に答えられそうにも
なかったんですけど、それ以上に
元彼氏が隣のテントにいるって状況が
理解できなくて
あ!元彼女に置き換えれば!つっても
そんなもんいないので理解できなくて、、、

自慢じゃないけど
通知簿の国語は常に4。
汚染された川に住む婆さんと猫、
小説の中で小説を書き出すスピンスピン。
訳の分からないセンター現国だって
常に筆者の気持ちを4択から汲み取ってきた。
でも、元彼氏が隣でミネストローネ作ってる時の
元彼女のたこ焼を焼く心境なんて考える機会すらなかった。

結果、

『気にしなければいいじゃん』

っていうコメントを公式に
発表させて貰ったわけなんですけど
あのー、周りの人たちの
感情移入っぷりが半端ないんですけど
元彼との気まずさについて
1年生ですら語り出してるんですけど・・・


もうさー!もうさー!世間一般で言う
恋愛経験値ってどこで積むの?って話なんですよ。
その「分かるー」ってどっから
ひねり出してんだって話なんです!
恋愛のバイブルたる少女マンガから
少年マンガの恋愛路線から
月9の胸キュンストーリーから
昼ドラのドロドロ不倫模様から
韓流ドラマの三角関係まで
ありとあらゆる参考文献において
恋模様が展開されちゃってるわけなんですけど
もうね、難易度甘過ぎ。

少女マンガは、ある日突然
王子様が湧いてでてくるし、
少年マンガのヒロインは
始めっから主人公好きだし、
幼い頃の約束ーと・か
なんだったら前世レベルで結ばれてたりするし、
どんだけ紆余曲折したって
最後は絶対に結ばれるわけですよ。

そんなもん読まなくたって
実体験としてあるじゃないですかーってのは
ある程度の基準を越えたモテる人たちなわけでね

もうね、それに比べてモテないってのは
ゲームで言うハードモードみたいなもんで
モテないやつが女の子狩るのがG級クエストなら
創作の恋愛主人公たちなんて下位クエスト。

G級装備つけて

「え?まだイャンクック倒せないのー??(笑)」

つってる気分。
リオレウス火力弱えーー(笑)
ランゴスタとか全然出てこねぇー!!
片や、モテない方は
剥ぎ取りさせてなるものか!っつーくらいの
ブルファンゴの量。
ボスに辿り着くまでのマップが
ウィザードリーみたくなっちゃってる。


そんな中で、奇跡的な立ち回りを演じ、
こないだ女の子と2人でジャズバーに行ってきました。


あのさ、よくドラマとかで
バーで女性を口説いてる場面とかあるじゃん。
「あるよ」つってマスターが
色々出してくんじゃん。あれ下位クエストだから。
あんなもんね、二十歳そこいらの学生が
成せる業じゃねーっつーの!

もう、入った瞬間から分かるアウェイ感。
なんだったらマスターすらいなかったから。

「適当に座って飲み物頼みなよ」

って言われてメニュー見てみたら
なんかもうメニュー数学の教科書みたくなってた。
○○○y とか ○○× 5y とか・・・
飲み物でyとか見たことあります??
こんなもん一次関数とか二次関数とかの
世界でしか見たことねーよみたいな。

月9のね、バーのシーンで
メニュー表とにらめっこして
「全然分からん」って呟いてる俳優
見たことあります?絶対口説けないですよ。
そんなやつ。
「全然分かんないね」つってる女優
見たことあります?妖艶な感じとか絶対
出ないですよそんなやつ。


とりあえず適当に頼んじゃえ!つって
なんとなく目に入ったのが

『テンガロンハット』


(・・・・飲み物かしら?
これ飲み物とかじゃなかったら
やっぱり帽子的なあれなのかしら?
大体テンガロンハットってなんだ?
なんか軽くフランベ出来るくらいの酒
だったらどうしようかしら?
っていうかテンガロンハットってなんだ?)


したらマスターが

「飲み方は・・・?」


(僕の辞書には、ショットとロックとソーダ割りしかない)

「ロ・・ロックで」


(なんかすげー不自然な間があったけど・・
これロックで大丈夫だよね?
コーヒー店で知らずにエスプレッソ頼んだら
おちょこくらいの量ですげー凝縮された
黒い液体を渡された時みたいな引っ掛け問題とかじゃないよね?
ってかテンガロンハットってなんだ?)

しばらくたら、ルパン三世
次元がバーで飲んでるようなグラスが来た。




結局彼女とは、バーを含めて
三軒の店をはしごしたものの、
その三軒共で『テンガロンハット』の話題で
盛り上がったので僕の恋愛経験値は
おそらく少しも上昇していない。


それでも、今度後輩が

『bukkieeさんはどう思います?』

って聞いた来たときにこれだけは言える。



『テンガロンハットは湿布の味だった。』